ブログ
想庵から皆様へ葬儀や終活、介護に関する情報や
日々の活動の様子を配信します。

すべてはここから(17)真っ黒なカラス

2020.05.09 すべてはここから

二匹のカラスがこちらを睨んで飛んで行った。

私は、お坊さんとして話しをさせていただいたり、

葬祭のスタッフとしてご相談を受けさせていただいたり、

成年後見制度推進の一員として講演したり、

終活カウンセラーとしてアドバイスをしたりなにかと活動を続けていた。

そんな折、私の中でひとつの想いが湧き上がっていた。

今まで私はお客様との出会いは遺体だった。

言い方は悪いが、死んでから私と関わる。

私は、その遺体がどんな人柄だったのか、どんな人生を歩んできたのか、

どんな生様で、どんな死様だったのか知るすべもなかったし、

知る方法としては遺された家族に聞くことでしかなかった。

私はその遺体が生きているときに出会いたかった。

出会いたくなっていった。

感覚が異常なのかもしれない。

しかし、生きているときに、生があるときに関わりを持つ。

そのことを望むようになっていった。

その人生が進行形のとき私も1ページに関わり、記憶に遺せていけたら。

そうだ、介護の仕事なら関わりをもてるんじゃないか。

単純で無知である。

しかし私の心は動き始めた。

ここから私の介護事業への準備が始まっていく。

ちがうカラスが二匹こちらを睨んでいた。

【18へ続く】

©2020 souan LLC