火葬には、法律で定められた決まりがあるので、しっかりと確認しておくことが大切です。火葬に関する主な決まりは以下のとおりです。
火葬するには、自治体の発行する火葬許可証が必要です。火葬許可証は、火葬の際に火葬場に提出が必要で、火葬許可証がなければ火葬はできません。
火葬許可証を取得するには、死亡届とともに火葬許可申請書を自治体へ提出します。死亡届も火葬許可申請書も死亡の事実を知った日から7日以内に提出が必要ですので注意してください。
なお、死亡届と火葬許可申請書の提出は、葬儀社が代行してくれることが一般的です。火葬許可証は、火葬当日に火葬場に提出し、火葬後に火葬済みの印が押され、埋葬許可証として返却されます。埋葬許可証は納骨する際に必要になりますので、なくさないように保管しておきましょう。
日本では、「墓地、埋葬等に関する法律」により、埋葬または火葬は、死亡後24時間を経過した後でなければこれを行ってはいけないと定められています。すぐに火葬できない理由は、蘇生の可能性があるからです。
なお、通夜や葬儀・告別式を行わない直葬・火葬式であっても、死亡後24時間以上経過しないと火葬はできないので、ご遺体の安置場所の確保が必要です。
火葬場に行く方の範囲に明確な決まりはありませんが、基本的には喪主や親族など故人と縁の深い方のみが同行します。
地域によっては、妊娠している方や体の弱い方、子供を亡くした親などは火葬場に行ってはいけないという言い伝えがありますが、決まりではありません。昔は火葬場が整備されておらず、火葬される様子が見えることもあったため、「ショッキングな光景を見せない」という配慮からこのような言い伝えができたという説もあります。
現代においても、火葬は故人の顔を見てお別れをする最後の儀式であり、神聖な場です。そのため、「故人の親族以外の人は火葬場への同行を遠慮する」「どうしても火葬に立ち会いたい場合は事前にご遺族の了承を得る」といった配慮が必要になるでしょう。
一般的な仏式の葬儀では、葬儀・告別式の後に火葬を行いますが、東北の一部など地域によっては、以下の図のように火葬後に葬儀を行う場合があります。
火葬を先に行う葬儀の形式を「骨葬」や「前火葬」といい、骨壺や位牌を祭壇に飾って葬儀を行います。中には骨葬や前火葬が一般的という地域もあるため、葬儀と火葬を行う順番は念のため葬儀社に確認しておくと安心です。
なお、「亡くなった場所と斎場が離れている」「ご遺体の状態が悪い」など事情によっては火葬を先に行う場合もあります。
続く