湯灌は葬儀会館またはご自宅で行われます。会館に湯灌用の施設があればそちらを利用し、自宅などで設備が整っていない場合は、移動式の湯船を葬儀社や湯灌師が用意することで湯灌を行うことができます。ただしご自宅で行う場合は適度な広さが必要になるため注意が必要です。
また、湯船にお湯をはる際には「逆さ水(さかさみず)」という方法が取られます。逆さ水とは、葬儀などの場であえて通常とは逆のやり方を採用する「逆さ事(さかさごと)」の一種で、通常であればお湯に水を足して温度調節するところを、湯灌の際には水にお湯を足すという方法で温度を調節します。
湯灌の流れ
1.マッサージ
湯船にお湯をはるなど準備をしている間に、湯灌師がご遺体の硬直をほぐすためのマッサージを行います。
2.移動
ご遺体を湯船までお運びします。この際、お身体を隠すためにご遺体に布やタオルなどをかけた状態でお運びします。
3.スタッフによる説明
湯灌の意味や流れについて湯灌師から説明があります。
4.お清め
湯灌師がお湯で故人を清めます。ご家族が行う場合は、ひしゃくを左手に持ち、足元から頭の方に向かって少しずつお湯をかけていきます。通常は右手を用いて頭から足に向けてお湯をかけるので、これも葬儀における逆さ事の一種といえます。
5.頭から顔のお手入れ
洗髪・洗顔・髭剃りなどが行われます。
6.全身のお清め
シャワーで全身を洗い流します。
これらがすべて終了したら、死化粧を施し、死装束を着せて棺に納めます。