精進落としでは、開式と閉式のタイミングで挨拶を行います。挨拶の内容は、「参列への感謝」「故人の思い出やエピソード」「食事の案内」「故人を偲ぶ時間となるよう思い出話などを促す」の4点です。閉式の挨拶には「今後の法要などの予定」や「参列者の安全を祈る言葉」も組み込みましょう。
続いて、喪主挨拶で押さえておきたいポイントをお伝えします。
喪主挨拶は、あまり長くなりすぎてしまうと聞き手に負担がかかってしまうため、なるべく1~3分程度におさめることが理想です。そのため、内容を絞って、できるだけ丁寧に気持ちを伝えられるよう工夫をしましょう。
事前にカンペを用意しておくのも一つの方法です。ただし、実際に挨拶をする際には、いかにもカンペを読んでいる雰囲気を出してしまわないよう気をつけましょう。本番までに、何回か声に出して練習をしておくと安心感が増します。
より参列者に伝わりやすい挨拶にするには、定型分以外の部分に自分なりの言葉を添えることが大切です。また、故人との思い出やエピソードなど、故人らしさを感じられる一文があると、参列者の共感を生むオリジナリティ溢れる挨拶になります。
葬儀などの場では、使用を避けられている「忌み(いみ)言葉」というものがあります。たとえば「ますます」「いろいろ」など同じ音を繰り返す重ね言葉や、「また」「再度」「続いて」など、次に続くことを意味する言葉は、不幸が重なったり続いたりすることを連想させるため避けられています。また「終わる」「消える」など、別れや終わりを連想させる言葉や、「死ぬ」「亡くなる」「生きていた」など直接死を連想させる言葉も、別の言葉で言い換えるなどの工夫が必要です。
挨拶でよく使う「本日はご多忙の中〜」の「忙」の字は「亡くなる」という文字を含んでおり、不吉な意味を持つとして忌み言葉の一つとされているため注意が必要です。
続く