一般的に納棺は、通夜が行われる当日もしくは前日など、通夜よりも前に、納棺師、葬儀社のスタッフ、親族などが集まって執り行われます。末期の水(まつごのみず)や湯灌(ゆかん)といった一連の儀式を行ったあと、故人様に死装束を着せて棺に納めます。
このとき、一緒に故人様の愛用品を、副葬品として一緒に棺に納めることができます。どうしても入れたいものがあれば、あらかじめ準備しておくとよいでしょう。ただし、時計やメガネなどの金属や、缶・瓶・プラスチック容器に入った食べ物やスイカやメロンなど水分の多い果物など、棺に入れられないものもありますので、入れてよいか心配なものがあれば、事前に葬儀社に確認しておきましょう。
最近は、一日葬のように通夜を省略する葬儀も増えていますが、一般的な葬儀では、納棺後にお通夜を行います。お通夜では僧侶による読経や参列者による焼香が行われ、儀式の後には通夜振る舞いといって、参列者にお酒や食事を振る舞う会食の席が設けられます。
通夜振る舞いは必ずおこなわなければいけないものではなく、家族葬の場合は省略されることも多いです。しかし、行う場合は飲食の手配が必要です。通夜振る舞いの飲食の手配を葬儀社が行うのか、自分たちで行うのかによっても準備する内容が違いますので、事前に葬儀社と話し合って決めておきましょう。
また、通夜や葬儀・告別式では、喪主による挨拶の場が設けられます。長々と話す必要はないですが、参列のお礼や生前のご厚志への感謝の気持ちなどを伝えられるよう、事前に挨拶文を考えておきましょう。ちなみに喪主挨拶は、通夜の終わり、通夜振る舞い、告別式や出棺・精進落としのタイミングでそれぞれ必要になります。
通夜の翌日に、葬儀・告別式が執り行われます。
喪主やご親族は参列者より1~2時間ほど早めに会場入りし、葬儀社と一緒に準備を行います。開場時間になったら受付をし、僧侶による読経や参列者による焼香がおこなわれます。告別式が終わったら、出棺の儀式を行い棺が葬場へ運ばれ火葬が執り行われます。火葬後は、故人様のご遺骨を骨壷に収める収骨が行われ、火葬場から埋葬許可証を受け取り終了となります。
ただし最近は、葬儀の後に親族が顔をそろえるのが難しいという理由から、本来ご臨終から7日後に行われる初七日法要を葬儀当日に繰り上げて行うケースが多くなっています。その場合は、火葬後に葬儀会場に戻って初七日法要が営まれることになります。また告別式に続いて初七日法要が営まれることもあり、いずれも葬儀当日に初七日法要を繰り上げて行うのですが、前者を「戻り初七日」後者を「式中初七日」といって区別しています。
続く