2020.04.25 すべてはここから
営業所の配属先が決まり、所長としての初出勤。
緊張した。
所長とは本当に名ばかり。入社したての二十歳やそこらの小僧・・・何が所長だ。
営業所のみんなの前、緊張しているのがばれないように、少し、いきってあいさつをした。
本当に小僧だ。
営業外務員のすごい眼光がこちらを見ていた。
営業外務員とは会員を集めまくるスペシャリスト、そうこの会社の精鋭舞台達だ。
そして、みんな女性たちである。歳はみな私の母ぐらい・・・。
すごい迫力。
最初はみな優しかった。かわいがってくれた。いろいろと教えてくれた。
そう最初は・・・。
何がきっかけだったのか私にはわからない。
小僧の私にわかるはずもない、地獄が始まった。
まず、目を合わさない、名前を呼ばない、契約を隠す、情報を隠す、同行をしない。
こんなの当たり前だった。
ある日二人の外務員、私の目の前、「あのバカがこんなこといいよった。あのバカこんなことしよった。」
その会話を聞きながら、また誰かの悪口かよ、そう思っていると、
ん?それ自分だな。すぐ気付いた。
その日から私は、川沿いのベンチで流れるせせらぎを見ながら弁当を食べ始めるようになった。
犬と友達になった。
数か月が経ったある日、あの上司に各所長たちが呼ばれた。
営業所を回していく上で、冠婚葬祭のことをもっと勉強してもらいたい。
そういう話だった。
そこで、婚礼と葬祭の現場に研修に行くこととなった。
まずは婚礼から。私が婚礼の現場を知る始まりである。
【4へ続く】