これまで葬祭ディレクターとして、たくさんの「死」に直面して参りました。
人は大切な人の死と直面すると、深い悲しみに襲われ、
誰かに心の支えを求めることがあります。
その度私はその悲しみを共に支えることはできないかと、葬祭ディレクターの他に、
成年後見制度の相談員、終活カウンセラーとしても、
遺族の心に接して参りました。
出家し、僧侶にもなり心の声を聞く努力もしてきたつもりです。
また、「死」には様々なものがあり、酷い、悲惨な死もあります。
その中の老老介護の末の無残な死、又は独居老人の孤独な死、その死に直面し続け、
そのような死や、そのような現実を一件でも無くすことができないかという思いで、
訪問介護事業も行い、高齢者の生活を支えて来たつもりです。
その中で感じていたことは、身寄りがいない方が多いということ、近所との関係が薄いということ、
家族や親族が少人数であるということです。
このような方々がもし亡くなった場合、斎場でお葬式を行う必要があるのだろうか?
と感じるようになって参りました。
斎場でお葬式を行うと、会場費や控室料がかかってしまい負担が大きくなってしまいます。
だから私は、自宅葬専門葬儀社を設立し、「自宅葬の想庵」としてご自宅でのお葬式をおこなって参りました。
しかし、ここで直面した問題点としては、長く施設への入居や、病院への入院が続いた方は、
もうすでに帰る自宅が無い方も多くいらっしゃるということです。
やはり、亡くなってから帰る場所を創ってあげたい。
そう思うようにもなりました。
その想いからこの度、そのような方々の最期に帰る場所として、
「斎場 想庵」を創設し、令和3年3月31日にオープンさせていただくこととなりました。
多くの方に寄り添える場所へ、街に愛される場所へ、そうなっていけるよう心から願っており ます。
そして、旅立っていくものと、遺されていくものが、きちんとお別れが出来る場所になれればと思っております。
これからも、
「介護に携わるのであれば、葬儀まで。葬儀に携わるのであれば、介護から。」の想庵を、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和3年3月14日 合同会社 想庵 代表 戸辺智史