〝ペットも家族〟昨今、当たり前に言われる事です。
ただ、それは人間サイドからの気持ちであって、ペットちゃんサイドではどうなのでしょう。〝通じ合えている〟とは思っていても、実際にペットちゃんの言葉が分かるわけではない中で、その気持ちを完璧に理解することは難しいでしょう。でも先日、そのペットちゃん側の気持ちが伝わる出来事がありましたので、ご紹介します。
家族葬でお手伝いさせて頂いたご家族のお話です。おばあさまがお亡くなりになり、その息子様ご夫婦が駆けつけられました。ご夫婦はワンちゃんを連れておられ、「母が飼っていた犬なんです。とても可愛がっていたのでお別れをさせてあげたいのですが、いいでしょうか。」との事でした。もちろんです、とお答えし、お二人とワンちゃんはおばあさまのお棺の前へ。ちょうどラストメイクをさせて頂いていたのでお棺の蓋が開いていました。すると、奥様の腕の中のワンちゃんがすっとお棺の方へ顔を入れ、しばらくクンクンとおばあさまのお顔のあたりにすり寄りました。そして、すっと顔をあげたワンちゃんと目が合った私は、どきりとしました。ワンちゃんの瞳から、すぅっと涙がこぼれ落ちたのです。それに気づいた奥様も涙ぐまれ、ワンちゃんをなでながら話して下さいました。「昨日からこの子の様子が違っていました。何もないところで急にじゃれるようにしたりして…きっとお義母さんが最後に来られていたんですね。」
その後、ワンちゃんはお葬式にも参列し、おばあさまを見送ってくれました。
〝ペットも家族〟その言葉を強く実感した出来事でした。