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こども時代のお葬式

2023.08.05 スタッフのつぶやき ご葬儀

みなさんの中で、一番最初のお葬式の記憶はいつですか?

私自身は小学校5年生の時で、当時は自宅に親戚・地域の人達など何十人という人が集まる時代でした。挨拶やら対応に追われて両親や親戚の女性陣がばたばたと駆け回り、私は弟たちや従兄弟達とその手伝いをしたり、小さな子供達の面倒をみたり…家に溢れかえった人の多さと、忙しかったという事を鮮明に覚えています。

一方で、私を可愛がってくれた大好きな祖父のお葬式でしたが、正直、泣いた記憶はありません。お式には参加したし、焼香もまわってきました。でも、お別れした記憶がないのです。よく分からないまま火葬場の収骨室で骨になってしまった祖父と対面し、なんとなく皆の真似をしてお骨を拾いました。帰宅してからも、集まった人達で家の中は賑やかで、私はちっとも悲しくなりませんでした。

 

私が祖父が亡くなったのだと実感したのは、お葬式から1週間ほど経ってからです。

「こんなに会いたいのに、夢にも会いにきてくれん」と、祖母が泣いていました。じっと遺影を見ながら泣いていた祖母から「あんたの夢にはじいちゃん来てくれた?」と問われた時でした。大好きな祖父がこの世からいなくなってしまったのだと、その事実がやっと私の中にすとんと落ちました。

私は祖父が亡くなってはじめて大泣きしました。

 

お葬儀の場で、大人はその流れも意味も理解できるし、また自分なりのお別れの時間をとることが出来るでしょう。しかし子どもは、幼ければ幼いほど人の死というものの理解が追いつきません。慌ただしくお葬儀が終わり、その後「これがおじいちゃんよ」とお遺骨をみせられても、実感するのは難しいと思うのです。

だから私は、このお仕事をさせて頂く中で、お葬儀の最後の、お棺を開ける時間がとても大切な時間だと思っています。

お蓋を開け、思い出の品や故人様の好物やお花を手向け、最後に語りかけられる、最後に触れられる時間。その時に、しっかりお別れをする事、故人様の死をご遺族様が受け入れられる事がとても大切だと思います。

 

先日、弊社でお手伝いさせて頂いた故人様もお孫様が沢山来られていました。

最後のお別れが終わり、お棺を霊柩車にお乗せした後、小学生くらいのお孫様が故人様に向かって小さく手を振っておられました。

 

ちゃんとお別れができていたらいいなと願っております。

 

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