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海洋葬とは?

2024.09.18 想庵からのお知らせ 終活

 

海洋散骨とは、文字通り個人の遺骨や遺灰を海に撒く葬送です。

海洋散骨が広まったのはつい最近のこと。

海洋散骨の統計はありませんが、一般社団法人日本海洋散骨協会によると、2018年度では約10,000件の海洋散骨が行われたと推定されています。

「お墓という柵に捕らわれず、自然に還って安らかに眠りたい」

このような想いで海洋散骨を選ぶ人もいます。

お墓ときくと、暗い・寂しい・冷たいなどマイナスなイメージを持つのが一般的です。

特に少子高齢化で若者が忙しく働いている現代では、お墓参りを定期的に行う人も少なくなっています。

誰も来ないお墓で寂しく眠るよりも大自然で安らかに眠りたいと思う人に海洋散骨はおすすめの葬送です。

子や孫に墓守やお金の負担をかけたくないという理由から海洋散骨を選ぶ人もいます。

葬儀にかかる費用の総額は約178万円とも言われています。

これにお墓を建てるとなると葬送だけで約300万円かかります。

さらにお墓を維持するためにも費用が必要です。

例え生前にお金を貯めていたとしても、お墓がある限り維持費は必要になるので、結果的に子や孫にお金やお墓の管理などの負担を背負わせてしまうことになります。

自分の死後に大切な家族に負担をかけたくないと思う人にも海洋散骨はおすすめの葬送です。

1.委託散骨

委託散骨とは、故人の遺族に代わって業者が海洋散骨する葬送です。

遺骨が集まってからの葬送になるので契約から散骨まで数か月かかることがあります。

葬儀社の中には、委託散骨を行った後、散骨証明書やスタッフが遺骨を撒く様子などをまとめたアルバムを送付するサービスを実施しているところもあります。

相場は、25,000円~80,000円で他の海洋散骨の方法よりも費用が安く済みます。

事情があって遺族が故人と乗船できない方におすすめです。

2.合同散骨

合同散骨とは、複数の家族が乗船して同じ場所で海洋散骨する葬送です。

船上で簡単な儀式を行い、それぞれの家族で海洋散骨を行います。

船の店員があるため、1家族に乗船できる人数は2~3名と限られているのでご注意ください。

相場は、70,000円~150,000円となっています。

少人数で大切な故人を送りたい方におすすめです。

3.個別散骨

個別散骨とは、船を1隻チャーターして遺族の方が乗船し、海上散骨する葬送です。

乗船人数は船の定員によりますが、8~15名程度が一般的となっています。

船を1隻貸切る形となるので費用は高くなりますが、海洋散骨のスケジュールや船上で行う儀式などを遺族で決めることができます。

相場は、100,000円~300,000円となっています。

大切な故人を家族だけでなく、知人や友人と共にゆっくりと送りたい方におすすめです。

海洋散骨は法律的に合法なのか?

ここまで海洋散骨の魅力や葬送の種類について解説しましたが、そもそも海洋散骨は法律的に合法なのでしょうか。

結論から言いますと、海洋散骨は原則として自由に行うことができます。

散骨について、1991年に厚生労働省は「遺灰を海や山に撒く葬送は墓埋法では想定しておらず、法の対象外である。」と発表。

さらに法務省も「葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪に該当しない。」という旨の見解を発表しています。

このことから、節度を持って行われる「散骨」については、違法性がないと認知され、散骨が広まるようになりました。

海洋散骨は合法であり、かつ許可も手続きも必要ないため極端な話近くの海岸で散骨しても問題ありません。

ただ、過去に海洋散骨をするにあたって配慮や節度が不十分で地域住民や漁業関係者との間でトラブルになった事例もいくつかあります。

海洋散骨を自ら行う場合は、トラブルに見舞われないためにも以下の3点に注意しましょう。

1.海洋散骨する前に粉骨をする
2.海洋散骨する場所の自治体の条例を確認
3.お墓から遺骨を取り出して海洋散骨する場合許可がいる

それでは1つずつ解説します。

1.海洋散骨する前に粉骨をする

海洋散骨する前に粉骨をしましょう。もし、遺骨をそのままの状態で撒いてしまうと「遺骨」を「遺棄」したとみなされ「死体遺棄罪」として罰せられる可能性があります。散骨する場合は、必ず遺骨を2mm以下の粉末状に粉骨しましょう。

自ら行うこともできますが、大切な故人の遺骨を砕くのは精神的にも肉体的にも大変です。粉骨は業者に任せることをおすすめします。

料金は業者によって異なりますが相場は10,000円~30,000円程度になります。

2.海洋散骨する場所の自治体の条例を確認

地方自治体の中には、市町村の条例で海洋散骨を規制している場合があります。例えば有名な観光地である静岡県熱海市では、2015年7月より「熱海市海洋散骨事業ガイドライン」を制定。

初島を含む熱海市の土地から10キロ以上離れた沖合でのみ散骨するよう制限をかけています。

近隣住民や漁業関係者に迷惑をかけることがないよう、海洋散骨を行う前には自治体の条例を必ず確認しましょう。

3.お墓から遺骨を取り出して海洋散骨する場合許可がいる

少子高齢化に伴い、墓守をする子や孫の負担を減らすため墓じまいをする人も増えてきています。それに伴い、墓に納められていた先祖の遺骨を海洋散骨しようとする人も増えているそうです。

でも実は埋葬してある遺骨を勝手に移動することは「墓地、埋葬等に関する法律」によって禁じられています。

墓に納められていた遺骨を取り出すには、墓がある市町村役場にて改葬許可の申請手続きが必要です。もし、許可なく遺骨をお墓から取り出して散骨した場合、刑法190条の死体損壊等の罪に問われる可能性がありますのでご注意ください。

海洋散骨を自ら行うのは手間と時間がかかる

海洋散骨は合法ではありますが、遺族自らが散骨を行うと、粉骨したり自治体の条例を確認したりと何かと大変です。

海上で散骨する場合は船のチャーターも自ら行う必要があります。また、海岸で散骨するにしても、海水浴場や漁場など人目に付く場所での散骨はルール違反。

近隣住民や漁業関係者とのトラブルに発展するでしょう。トラブルに見舞われると故人を落ち着いて葬送できなくなります。

そうならないためにも海洋散骨は費用がかかっても専門業者に任せることをおすすめします。

続く

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