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エンバーミングとは

2024.09.28 ご葬儀 終活

「エンバーミング(embalming:遺体衛生保全)」は遺体の保存を目的に、腐敗の原因となる全身の血液を、殺菌・防腐効果のある薬液に入れ替えることで、完全な消毒・減菌・腐敗防止を施し、衛生的かつ美しく保全する科学的な技法です。

エンバーミングが施された遺体は、ドライアイスなどを使うことなく通常10日~20日間程度保存できます。また、遺体からの感染リスクなども防ぐことができます。

遺体の損傷が進んでいる場合は、遺族や親族、友人と対面するときに、故人の尊厳を守るために施すこともあります。

エンバーミングの薬液は赤みのある色なので、遺体に生前のような血色を与え、自然な顔色や肌に近づけます。処置を施すことで、病気や事故で失われてしまった故人の元気だった頃の面影を取り戻します。

一般的な葬儀は、火葬場のスケジュールなどから逆算して、故人が亡くなってから2~3日間のうちに非常にあわただしく行われるので、遺族が心ゆくまでお別れをする時間を持てなかったり、海外や遠方からの弔問に対応できないケースがあります。

エンバーミングの特徴は、遺体を美しく衛生的に保全することで「その人らしさ」を取り戻し、遠方から駆けつける方のスケジュールも考慮した葬儀の日程を可能にして、遺族や親族、友人らとの最後のお別れの時間をゆっくり過ごすことができます。

海外では、ほとんどの遺体にエンバーミングが施されています。

アメリカやカナダでは90%、95%、イギリス70%、北欧75%、ヴェネズエラ50%、アジアでもシンガポールの70%をはじめ、中国、タイ、香港、フィリピン、スリランカなど多くの国で遺体の衛生保全のためにエンバーミングを行っています。

日本でも遺体の変化が激しい夏場や火葬までに時間がかかってしまう場合、葬儀社からエンバーミングを提案されることがあります。

また、火葬せずに外国に遺体を搬送する場合は、エンバーミングの処置が必要です。

あまりに急なお別れで何も考えられない。遠方からすぐに駆けつけられない親族がいる。何らかの理由で葬儀までに日数がかかるなど、エンバーミングをすれば一定期間、遺体の状態を維持することができます。

ゆとりのある時間が生まれることで、心ゆくまで故人と対面しながら思い出を振り返ったり、遠方の親族や友人なども交えて、最後のお別れまでの時間を過ごすことができます。

事故や闘病などで大切な人の姿が、元気な頃とは変わってしまった状態での別れはつらいものです。エンバーミングをすることにより、痩せた顔をふっくらと整えたり、その人らしい表情をつくり、元気だった頃の面影に近づけることができます。

お気に入りの衣服を着せしたり、その方を象徴するような品々を身に着けるなど、その人らしい姿でお別れをすることができます。

日本で海外の方が亡くなられた時、あるいは旅行や出張先で日本人が亡くなった場合、遺体の保全と安全性の観点から、多くの国や航空会社でエンバーミングが推奨されています。

エンバーミングを行うことで安定した状態で搬送ができ、自国でその国の習慣や宗教にのっとった葬儀で送ることが可能になります。

続く

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