本来葬儀とは、亡くなってから行われるものですが、最近は「生きているうちに直接感謝の気持ちを伝えたい」「定年後、第二の人生の節目にしたい」などの理由から、生前葬を行う方も増えています。
今回は、自分の葬儀を生きているうちに行う「生前葬」の準備や当日の流れ、メリット・デメリットなどについて解説したいと思います。生前葬を行う前に知っておきたいことについても触れていきますので、生前葬に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
生前葬は、自分自身が主催者となって、生きているうちに行う葬儀のことをいいます。本来であれば、自分が亡くなった後に行われる葬儀ですが、生前に行うことで、家族や友人、これまで関わってくれた方々へ直接感謝の気持ちを伝える機会にできるというメリットがあります。また最後に大切な人に囲まれて楽しい思い出を作りたいという理由から選ばれる方もいらっしゃいます。自分で葬儀の内容を決めることができるので、希望に沿った葬儀にできるのも生前葬の特徴の一つです。
生前葬にはメリットも多いですが、デメリットもあります。これから生前葬を行おうと考えている方は、まずはよい面と悪い面の両方を知っておきましょう。
✔️自分で葬儀の内容を決められる
ご自身が企画できるため、希望通りの葬儀を具現化することができます。
✔️直接感謝の気持ちを伝えられる
自分も参加できるため、家族や友人、会社関係者など参列いただいた方に直接これまでの感謝の気持ちを伝えることができます。
✔️時間に縛られず葬儀ができる
通常の葬儀では、火葬のスケジュールが決められているため、限られた時間内で儀式を行うことになりますが、生前葬には時間の制約がありません。
✔️予算が立てやすい
料理を振る舞って参列者をもてなす、あるいは会費制にして参加費をいただくなど生前葬は、の方法は様々ですが、事前に正確な人数を把握することができるため、予算が立てやすいというメリットがあります。
✔️ご家族の負担を減らすことができる
生前葬を行なっている分、ご自分の死後にご家族が大々的に葬儀を行なう必要がなくなるため、ご家族の負担を軽減することにつながります。
✔️2回葬儀を行うことになるため、金銭的な負担が増す
生前葬を行なったからといって、実際に亡くなった後の葬儀を行わなくてよいというわけにはいきません。最低でも火葬式は行う必要がありますし、ご家族様によっては、供養の意味も込めてお通夜も含めた通常の葬儀を行う場合もあります。その結果、生前葬と通常の葬儀で2回行うことになり、トータルで考えると金銭的な負担は増す傾向にあります。
✔️自由度が高い分、内容を決めるのが大変
生前葬は通常の葬儀のように形式がありません。自分自身で何もかも決めなくてはならないため、それを楽しめればよいですが、苦痛に感じてしまう方もいらっしゃいます。
✔️家族や親族に理解を得ておく必要がある
生前葬は、一般的になじみのある葬儀ではないため、事前に家族や親族など周囲の理解を得ておく必要があります。また参列者の中にも、「生きているうちに葬儀をするなんて不謹慎だ」と感じる方もいるかもしれません。すべての人が理解してくれるとは限らないということを、念頭においておく必要があります。
続く