上述したようにお供物には、生花やご飯や水、お菓子などが選ばれます。
生花は一般的に白い菊が選ばれることが多いですが、故人様がお好きだった花や鮮やかな色合いの花を選んでもよいでしょう。また最近では、手入れのいらないプリザーブドフラワーを選ぶ方も増えてきているようです。
次にお供えするご飯ですが、こちらはみなさんが食べているものと同じもので構いません。お供えしたらすぐに下げてみなさんで召し上がってもよいですし、そのまま置いておくご家庭もあります。ただし、水は最低でも一日に1回は換えるようにしましょう。
また、お菓子も特に決まりはありませんので、故人様の好きだったものをお供えしてあげるとよいでしょう。
ここまで仏式の後飾り祭壇についてお伝えしてきましたが、神式やキリスト教式の後飾り祭壇で用意するものについても簡単に触れておきます。
神式の後飾り祭壇は、「仮霊舎(かりみたまや)」と呼ばれています。一般的に、左右に四本ずつ足のついた八足の祭壇が用いられることが多いです。
必要なものは、遺骨と遺影の他に霊璽(れいじ)・榊(さかき)・榊立て・三方(さんぼう)・玉串です。遺影・遺骨が上段、榊と霊璽が中段、下段に三方にのせたお供物を配置します。
霊璽:仏式の位牌のようなもの。故人様の御霊が宿っているものです。
榊:神式では榊の葉を飾るのが一般的です。そのため榊をさす榊立ても必要になります。
三方:神饌物(しんせんもの)をのせるために使われる、お盆と台が一体になった木製の台です。この台に塩、水、酢、お酒、洗った米などのお供物を並べます。食べ物を入れるための徳利、皿、水玉などは葬儀社に用意してもらえる場合もあるので事前に確認しておきましょう。
玉串:仏式における焼香の代わりに、神式では紙垂(しで)や木綿をつけた榊の枝(玉串)を捧げます。そのため仏式で用意する焼香台や香炉などは不要となります。
前述の通り神道のお供物は、塩・洗った米・水・酒をお供えするのが一般的ですが、厳密な決まりはないため、故人様の好きだったものをお供えしてあげてもよいでしょう。
キリスト教の場合は、遺骨や遺影の他に十字架とパン、聖書などが必要になります。十字架を上段に、遺影と遺骨は2段目に、聖書を下段に配置するのが一般的です。パンはキリストの象徴のようなもので、後飾り祭壇にもお皿にのせたパンを飾ります。