なお、通夜振る舞いの開始時には献杯の挨拶もありますが、献杯の挨拶は喪主ではなく、他のご遺族や参列者に依頼することも多くあります。
通夜振る舞いは、故人を偲びながら思い出を語り合う食事会のことですが、通夜振る舞いがなくても失礼にはあたりません。通夜振る舞いがない場合は、以下のようにお断りを述べた上で、葬儀・告別式の案内へと続けます。
<通夜振る舞いがない場合の挨拶の例文>
喪主の〇〇でございます。
本日はご多用の中、故人・○○の通夜式に参列いただきまして、心よりお礼申し上げます。
○○(故人の名前や父母などの関係性)もこのように皆様に見守られ、さぞかし喜んでいることと存じます。
故人に代わり、厚くお礼申し上げます。
本来ならここでお食事を用意し、故人を偲ぶひと時を過ごしていただくところですが、都合によりご用意ができておりません。
何卒ご了承いただけたら、ありがたく存じます。
なお、葬儀と告別式は、明日の〇時より当斎場にて執り行う予定です。
ご都合がよろしければ、ご参集いただければと存じます。
本日は誠にありがとうございました。
通夜振る舞いの最後には、会食を終える意味で喪主の挨拶を行います。改めて参列への感謝を伝えるとともに、葬儀・告別式をご案内しましょう。
<通夜振る舞い終了時の挨拶の例文>
本日は突然のことにも関わらず、○○(故人の名前や父母などの関係性)の通夜にお集まりいただきありがとうございました。
ごゆっくりしていただきたいところですが、夜も更けてまいりましたので、このあたりでお開きとさせていただきたいと存じます。
明日は○時○分より葬儀を執り行う予定ですので、ぜひご参列いただければと思います。
本日は遅くまでありがとうございました。
冠婚葬祭の場では、「忌み言葉」と呼ばれる避けるべき言葉があります。お通夜で挨拶を行うときはもちろん、葬儀・告別式に参列する際にも、忌み言葉を使わないように注意しましょう。
代表的な忌み言葉は、以下のとおりですが、宗旨宗派によって忌み言葉とされるものもあるので、故人の宗派を確認しておくことが大切です。
「四(死)」や「九(苦しい)」など、不幸や不吉さを連想させる言葉は、お通夜や葬儀での使用を避けます。香典で包む金額やお札の枚数でも、四や九はマナー違反とされているので注意してください。
また、「死亡」「急死」といった直接的な言葉もふさわしくありません。お通夜の挨拶では「他界」「息を引き取る」「突然のこと」などと、別の言葉で言い換えましょう。
続く