葬儀は故人をお見送りする場ですが、トラブルが起きることもあります。ご臨終後は短期間で葬儀の準備を進めなければならず、その慌ただしさがトラブルを招く要因になることもあるので注意が必要です。
トラブルに巻き込まれないようにするには、どうすればいいのでしょうか。
ここでは、葬儀で起こりうるトラブル例と対処法、トラブルを回避するための方法などについて解説します。
大切な家族が亡くなった直後は、精神的にも身体的にも余裕がありません。また、慣れない葬儀の準備や進行にあたっては、不安や疑問が生じやすいものです。このような影響から、葬儀の際にはさまざまなトラブルが起こることがあります。
まずは、葬儀で起こりうるトラブルの例をその対処法とともに見ていきましょう。
近年では家族葬や一日葬など葬儀の種類が多様化しており、一般的な葬儀とは異なる形式が選ばれるケースも増えてきました。しかし、葬儀に対する考え方や風習は、地域や年代などによって違いがあり、親族すべてが同じ考えとは限りません。例えば、最近ニーズが高まっている家族葬なども、親戚や近所付き合いを重んじる親族などから反対される可能性があります。
親族間のトラブルを避けるには、喪主と親族の代表者を決め、葬儀の種類について事前に話し合うことが大切です。場合によっては、喪主から親族へ個別に説明をすることも必要になるかもしれません。
また、通夜を省略する一日葬や、火葬のみを行う直葬・火葬式を選んだ場合、親族だけでなく菩提寺ともめる原因になることもあります。特に直葬・火葬式は、通夜や葬儀・告別式といった宗教儀式を行わずに直接火葬場で故人とお別れをする葬儀形式なので、菩提寺によっては納骨を断られる可能性があります。
いずれにしても、菩提寺に連絡せずに葬儀形式を決めてしまうと、後々のトラブルを招きかねません。菩提寺がある場合は、希望する葬儀の種類について、事前に相談しておくことが大切です。
最近では、家族だけなど故人と近しい人だけでゆっくりと見送りたいというニーズから、家族葬の需要が高まっています。家族葬とは、家族や親戚など近親者のみで小規模に行う葬儀形式です。参列者の範囲が限られるため、「故人とのお別れに参加したかった」という親族や知人などともめるケースがあります。
ご遺族の立場としても、家族葬でお声がけする範囲をどこまでにするかは、判断が難しいところです。基本的には故人と親しかった方など、お呼びするかどうか迷った場合はお声掛けをした方が安心です。特に相続人の場合は、勝手に決めたなどともめないようにするためにもお声掛けしたほうがよいでしょう。
なお、訃報を目にした方が葬儀にかけつけてしまうなどのトラブルを避けるため、家族葬にお呼びしない方に対しては、訃報は葬儀後に送るのが一般的です。参列者への対応などは葬儀社に相談するのもおすすめです。
続く