葬儀のトラブルを避ける方法のひとつが、故人に遺言やエンディングノートを残してもらうことです。エンディングノートとは、終活の一環として、自分が亡くなった後に備えてまとめておくノートで、家族へのメッセージや資産に関する情報、葬儀に対する考え・要望などを記すことが一般的です。
葬儀に関する親族や知人とのトラブルの多くは、故人の希望がわからないことに起因します。故人がいない状態で葬儀形式などを決めようとすると、それぞれが自分の考えを主張し、意見がまとまらないことも少なくありません。
終活の一環として、あらかじめ遺言やエンディングノートなどに葬儀の希望をまとめてもらえば、いざというときにもスムーズです。エンディングノートには、葬儀の方針のほか、参列者の範囲や亡くなった後の対応、納骨方法、相続のことなど、幅広くまとめてもらうとよいでしょう。ただし、エンディングノートには法的拘束力はなく、あくまで故人の意向になります。
葬儀社との料金トラブルを避けるには、複数の葬儀社から見積もりを取るのがおすすめです。葬儀にかかる費用は、葬儀の種類や規模によって大きく変わります。また、同じような葬儀プランであっても、実際にかかる費用は葬儀社によって差があります。
葬儀社のWebサイトに料金が掲載されている場合でも、きちんと見積もりを取り、金額や項目に異なる点がないかチェックしましょう。葬儀社によって基本プランに含まれる内容は異なるため、内訳の記載や、追加料金が発生する条件なども、細かく確認する必要があります。見積書を見てわからない点があったときは葬儀社に確認し、葬儀を行うまでにクリアにしておくことが大切です。
なお、入院中など病院で亡くなった場合は、病院から葬儀社を紹介されることがありますが、断っても問題ありません。
人生の中で、何度も葬儀を取り仕切る経験をする方は少ないものです。一般の方にとっては、葬儀の種類や内容、費用相場などはなじみがなく、不安も大きくなりがちです。葬儀のトラブルを回避するためにも、葬儀社の事前相談を活用し、葬儀の種類や費用相場などを知っておくと安心です。
一般的な仏式の葬儀では、故人が亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式を執り行います。また、病院で亡くなった場合、病院内の霊安室を利用できるのは基本的に数時間程度なので、急いで葬儀社を決め、ご遺体の搬送を依頼する必要があります。いざというときに焦って葬儀社を決めると、トラブルを招く可能性が高くなるので注意が必要です。
葬儀社の事前相談で、よくあるトラブルの例などを聞いておけば、準備や心構えもできます。葬儀社によっては、対面での事前相談の際に実際に斎場を見学できることもあります。無料の会員登録をすると葬儀費用が割引になる葬儀社もあるので、上手に事前相談を活用しましょう。
続く