続いて、家族葬や直葬であっても避けた方がいい服装についてご紹介します。
身内中心の葬儀で「平服で」と指定があった場合でも、派手な色や柄の服装や靴下はNGです。またアクセサリーも基本的には着用しないことが望ましいとされています。いくら身内のみの葬儀でも、バッグや靴、タイツは黒で統一し、アクセサリーはつけたとしても一連の真珠のネックレスや一粒の真珠のピアスまたはイヤリングと結婚指輪のみにし、時計は外して参列しましょう。
ちなみに、ネックレスの長さは鎖骨にかかるくらいのものが望ましいです。また二連のネックレスは「不幸が重なる」という意味にとられてしまうため避けた方がよいでしょう。同様の理由で真珠が二粒ついているピアスもNGです。また揺れるタイプのピアスやイヤリングは華やかな印象があるためNGとされています。
ほかにも、革製品やクロコダイルなどの爬虫類系型押しのバッグや小物、毛皮などは仏教の禁忌とする殺生を連想させるため避けた方がよいでしょう。
また、葬儀の場では露出の多い服装はマナー違反とされているため、胸元のあいた服装や短いスカートなどは避けるようにしましょう。葬儀の場では、スカート丈が長ければ長いほど格式の高い印象になります。基本的には膝が隠れるくらいの長さで、膝下5cm以上〜ふくらはぎ丈のものを選びとよいでしょう。
また、暑い夏場でも、葬儀中はジャケットを着用するのがマナーです。暑さが気になる夏の日には、インナーを半袖にしたり、冷感インナーを着用したりして調整できるように工夫すると快適に過ごすことができます。
これまでご紹介してきた服装は、仏教のマナーに基づいた服装ですが、キリスト教の葬儀の場合は、帽子が必要なことがあります。また、手袋やベールなど、宗派によって決まりがあるため、参列する葬儀の宗派のマナーにそった服装を心がけましょう。そして、仏教の葬儀では持参する数珠も、神道やキリスト教の葬儀では不要になります。服装や小物、持ち物のマナーには宗旨宗派ごとの違いがあるため、参列する葬儀の宗派を確認したうえで、マナーを守った服装選びをすることが大切です。
最近、家族葬や直葬といった身内中心の葬儀は増えていますが、身内だけだからといって服装を崩してしまうことはマナー違反にあたります。「平服で」と指定がある場合は略喪服を、それ以外は喪主や遺族であれば正喪服か準喪服、一般参列者であれば準喪服を着用するのがマナーとなっています。もし、喪服について悩んだときは、葬儀社に相談してみましょう。
続く