最後に、エンディングムービーをつくる際の注意点をお伝えします。
音楽の選曲は、映像の雰囲気を大きく左右する要素の一つです。エンディングムービーには、故人の好きだった曲や、観る人の琴線に触れる静かで感動的なインストゥルメンタルなどが好んで選ばれています。ただし、音楽には著作権があるため、使用する楽曲ごとに著作権の確認をする必要があります。たとえば、後々YouTubeやSNS上で公開する予定があるなど、葬儀以外でも映像を使用する場合には、掲載予定の媒体ごとの権利も確認しておく必要があります。基本的には、後々の問題を避けるためにも商用利用可・著作権フリーの素材を選ぶことが安心ですが、どうしてもそれ以外の楽曲を使用したい場合には、JASRACやNexToneといった著作権管理団体への手続きが必要になる場合があります。
ちなみに、葬儀社は著作権団体と契約していることが多いため、楽曲の使用についてわからないことがあれば、葬儀社に確認してみるとよいでしょう。
斎場にスクリーンやプロジェクターがあるか、あるいは持ち込みが可能かなど、映像を投影するにあたっての会場のスペックや各種条件についても、事前に確認しておく必要があります。また、せっかく作成した動画が、メディアが合わずに再生できなかったということのないように、DVD再生なのか、USB再生なのか、オンライン共有なのかといった再生方法についても確認しておくと安心です。
ビデオ制作は、想像以上に時間がかかる作業のため、最低でも葬儀日の1週間前には、素材を集めはじめておきたいところです。しかし、葬儀というものは突然に訪れるものなので、充分な制作期間を取れないことも多いでしょう。そのため自作する場合は、自分の作業スピードを見越したスケジューリングが必要になりますし、業者に依頼する場合も葬儀に間に合うかどうか、スケジュールの確認が重要になります。葬儀直前の依頼には対応できない業者もあるため、業者に依頼する場合は早めの依頼が肝心です。また、スライドショー形式では、写真のセレクトや、挿入するメッセージを考えることにも時間がかかるため、葬儀に間に合わせるためには、いつまでに素材の提供が必要かなど、依頼する業者とのスケジュールをすり合わせることも重要になります。
続く