スマートフォンを一人一台持つ時代の終活では、デジタル遺品の管理も重要です。スマートフォンやパソコンなどの中には、連絡先や大切な思い出、各種サービスやSNSアカウントのID・パスワードなど、もしもの時に必要な情報がたくさん格納されています。
IDやパスワードは、普段はプライバシーを守るために必要なものですが、いざという時にご家族が確認できるよう、メモなどに残しておく必要があります。デジタル機器に不慣れな高齢者にとっては大変な作業でもあるため、スムーズにできるようサポートしてあげましょう。
最近は、葬儀や供養の仕方も多様化し一昔前に比べて選択肢が増えています。葬儀であれば、身内だけでアットホームに見送る「家族葬」がよいのか、多くの関係者を募って大々的に行う「一般葬」がよいのかなど、生前に希望を聞いておくことで、本人の意思を反映した葬儀を実現することが可能です。
また、お墓も先祖代々のお墓に入る以外にも、永代供養墓や樹木葬、散骨など様々な選択肢があります。葬儀やお墓についてどんな希望を持っているかを確認し、必要であれば葬儀社や納骨先を決めておくなどの対応もしておくとよいでしょう。
上記で決めたことや確認したことは、ただ話すだけではなく、エンディングノートを作成し、そこに記録しておくことが大切です。エンディングノートがあれば、いつでも見直して状況が変われば書き換えることも可能ですし、ご本人の希望をお亡くなりになった後に家族に伝える手段としても有効です。
またエンディングノートは、もしもの時に家族が見つけられなければ意味がないので、プライバシーの許す範囲内でご家族がエンディングノートの保管場所を把握しておくことも大切です。最近は、クラウドやアプリを使ってデジタルで共有する方法などもありますので、安全性やプライバシーの両面を考慮し、ご本人に適した方法で共有できるようにしておきましょう。
一緒に終活を行う中で、思い出話を聞いたり、親の人生観に触れたりする機会もあると思います。そんな中で、死ぬまでにやりたいことや会いたい人などの希望を耳にすることもあるでしょう。後悔のない人生にするためにも、できることは叶えてあげられるようサポートしてあげましょう。
上記を踏まえて、親が元気なうちに親子で一緒にできる終活準備リストを表にしました。
終活準備チェックリスト | ||
カテゴリー | 内容 | チェック欄 |
医療・介護 | かかりつけ医・持病・服薬内容を整理 | |
延命治療の希望を確認(人工呼吸器・胃ろうなど) | ||
介護の方針の確認(在宅・施設・誰に頼むか) | ||
尊厳死宣言・リビングウィルの作成 | ||
財産・お金 | 財産目録の作成 ・プラスの財産(預貯金・不動産・有価証券など) ・マイナスの財産(借入・ローンなど) |
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任意後見人制度の検討 | ||
金融機関に代理人届けを出しておくか相談 | ||
通帳・印鑑・保険証券・年金書類の保管場所を確認 | ||
保険や年金の受取人を確認 | ||
相続・遺言 | 遺言書を作成するか決める | |
財産分けの希望を確認 | ||
相続トラブルになりそうな点を話し合う | ||
葬儀・お墓 葬儀の規模・形式(家族葬・一般葬・一日葬・直葬など)を確認 | ||
宗派・菩提寺の有無を確認 | ||
納骨方法(お墓・納骨堂・樹木葬・散骨など)の希望を確認 | ||
遺影に使いたい写真があるか確認 | ||
生活・日常 | 友人・親族・お世話になった人の連絡先を整理 | |
デジタル遺品(パソコンやスマホ・SNS・ネット銀行・各種サービスのログイン ID・パスワードなど)を記録 | ||
ペットや植物の世話の引き継ぎ先を確認 | ||
形見分けリストの作成 | ||
気持ち・心の整理 | ||
感謝のメッセージを家族に残す | ||
やりたいことリストを一緒に書く(旅行・再会・趣味など) | ||
大切にしている価値観・人生観を共有する |