火葬を終えたご遺骨は、お墓へ納骨されることが一般的です。
しかし、最近は、納骨堂や樹木葬、自宅供養や海洋散骨など、一般的なお墓へ納骨する以外の選択肢も増えています。また、ご遺骨を先祖代々の墓と自宅などに分骨するという方法をとる場合もあるでしょう。
そこで今回は、火葬後のご遺骨の扱い方について、納骨・散骨・自宅供養・分骨などといったさまざまな選択肢をご提示しながら解説したいと思います。
葬儀を終えた後、故人様の棺は火葬場へと運ばれ荼毘に付されます。火葬を終えたご遺骨は、火葬に立ち会ったご遺族やご親族によって骨壷に収められ、いったんは自宅へと戻りますが、四十九日の忌明けを迎えたタイミングで、お墓へ納骨されることが一般的です。
また納骨は、四十九日法要や一周忌などの法要とあわせて行われることが多くなっています。
納骨の際には、埋葬許可証が必要になります。埋葬許可証とは火葬許可証に火葬済の印が押されたもののことをいい、収骨を終えた後、骨壷と一緒に火葬場のスタッフから渡されることが一般的です。
この埋葬許可証がないと納骨ができなくなってしまうため、納骨まで大切に保管しておきましょう。
ここでは、先祖代々のお墓に納骨する場合を想定した納骨の流れを解説します。
【納骨式の準備】
1. 墓地使用許可証を発行してもらう
すでに、お墓を所有している場合は、お墓の管理者から墓地使用許可証を発行してもらいます。
2. 参列者に連絡をする
納骨式は、四十九日法要とあわせて行われることが多いため、法要の準備と一緒にすることが一般的です。
参列いただく方が少ない場合は、電話などで個別にご連絡してもよいですが、人数が多い場合は納骨式の日時・場所・地図・施主の連絡先などを記載した招待状を作成してお送りしましょう。
3. お供え物や会食の準備をする
納骨式には、お墓へのお供え物として生花やお菓子、果物などのお供え物を持参するため事前に手配しておきましょう。また、納骨式の後に親族で会食の席を設ける場合は、お店を探して料理も手配しておきましょう。
4. お墓の名義変更手続きをする
お墓の名義が故人になっている場合は、誰がお墓を引き継ぐのかを決め、お墓の管理者に連絡します。管理者の指示に従って手続きを行いましょう。
5. お布施や塔婆の準備をする
当日持参する僧侶へのお布施や、お墓に建てる塔婆の手配もしておきましょう。塔婆はお寺に依頼すると授けてもらえます。なお、浄土真宗では塔婆は不要です。
【納骨式当日】
1. 施主挨拶
2. 僧侶による読経と参列者による焼香
3. 納骨
4. 再び僧侶による読経と参列者による焼香
5. 会食
納骨式では僧侶による読経と参列者による焼香を納骨の前後にそれぞれ行います。納骨後の読経は、先祖を供養するための「納骨経」と呼ばれるものです。いずれも読経の途中で施主を筆頭に故人と関係の深い順に焼香を行います。
続く