火葬後、故人のご遺骨を自宅で保管し、供養する方法です。お墓を持たない供養方法で、手元供養とも呼ばれています。すべてのご遺骨を自宅供養する全骨安置と、一部をお墓に納骨し、一部を自宅で供養する分骨の2種類があります。
安置方法にも、骨壷のまま安置すること以外に、ミニ骨壷を利用したり、一部をアクセサリーやインテリアに加工したりする方法などバリエーションがあります。
自宅安置は、故人を常に身近に感じられるというメリットがありますが、遺骨にカビなどが生えないように保管には細心の注意が必要なことや、家族以外の人がお参りをしにくいことなどが懸念点になります。また、管理している人が亡くなった後の供養方法についても考えておく必要があるでしょう。
分骨とは、故人の遺骨を複数箇所に分けて供養することをいいます。
たとえば、先祖代々の墓と新しいお墓の2ヶ所に納骨する場合や、先祖の墓から遠い場所に住む親族が身近な場所で供養したい場合などに、一部を自宅に持ち帰り自宅供養するなど、様々なケースが考えられます。
分骨をする場合は、火葬前に火葬場に申し出て、収骨をする際に遺骨を分けてもらう方法がスムーズですが、後から分骨の必要が出てきた場合には、納骨先の管理者に許可を得て、ご遺骨を取り出す方法もあります。
いずれの場合も、分骨証明書が必要になるため、収骨の際に分骨を希望する場合は火葬場で、納骨後に必要になった場合は火葬が行われた市区町村役場で発行してもらいましょう。
火葬後のご遺骨は、先祖代々のお墓に納骨することが一般的ですが、最近はそれ以外にも、多様なニーズに対応した様々な選択肢があり、ご自身やご遺族の意向に沿った方法を選ぶことができます。
たとえば、お墓の継承者にご不安がある方は、永代供養付きのお墓を選んだり、自然に還りたいという希望がある場合は、散骨や樹木葬を選ぶこともでき、それによって従来のお墓を購入するよりも費用を抑えることも可能です。
事前に向き不向きや注意点を踏まえておくことが、後悔のない埋葬方法を選ぶことにつながりますので、わからないことは葬儀社や親族、菩提寺などに相談しながら進めていきましょう。